5月3日 四国最西端へ

 朝、6時45分頃にはキャンプ場を出発。約1時間で、宇和島駅の南側にある別格札所・龍光院に到着した。本堂へと続く石段の下に単車を停めると、朝の散歩をしている感じの年輩の夫婦に声をかけられた。そのご夫婦は、宇和島出身で今は尼崎に住んでいて、数年前には歩き遍路を結願されているということで、同じ神戸ナンバーのお遍路さんの私に声をかけてくれたとのこと。お遍路のこと、四国のことなどをしばらく話してから、そのご夫婦とは別れて本堂へと向かう。このお寺は本堂や大師堂の建物よりも、その後ろの山の上に立つ観音像が印象に残る。本堂と大師堂のお参りを済ませてから、朱印を貰う前に大師堂の裏の墓地の中をを通り大観音像まで登ってみた。観音像までは、通路の脇に四国八十八カ所のご本尊の石像が並んでいる。この観音像の前からは、宇和島城をはじめ宇和島の街が一望でき、登って損はなかったかな。本堂のある所まで戻り、御朱印を貰ってから単車の所へと石段を下りていくと山伏の格好をした女の人に引き連れられた老夫婦とすれ違う。へぇ〜、先達さんって、ああいう山伏の格好をしてるんだなぁと思いつつ挨拶をしてすれ違う。

石段 観音像前からの眺め 大観音像
別格六番 龍光院

 宇和島からは国道を離れて、少し内陸に入り県道57、県道31で龍光寺へ。そして、そこから3〜4kmほど走って佛木寺へ。お参りを順調に済ませて単車へ戻るために歩いていると、宇和島の龍光院ですれ違った山伏姿の先達さんが前から歩いてくる。巡礼をしていると同じ順序でお寺を回るのだから、行くお寺ごとに同じ人を見かけるというのは良くあることなのであまり気にしないのだが、向こうは山伏装束、私はいかにも単車乗りという姿に白装束を羽織るというかんじで、お互いに目立つ格好をしているので、特別「あっ、また合ったな」という感じが強い。すれ違うときに、また合いましたねという感じで軽く会話を交わして別れる。ここからは、さらに北へと走り明石寺へ。明石寺は、本堂の隣にある神社が強く印象に残っている。少し朽ちているような感じのする社殿で、扉が開いていたので間近でご神体の鏡を見ることが出来た。なんだか、少し得した気分。駐車場へと戻ってみると、またまた先ほどの先達さんたちが到着したところ。これだけ合うと何となく親しみも湧いてきて、段々と会話の量も増えてくる。このあと、私は佐田岬へと向かうことのしていたので、もう合うことは無いだろうと思いお互いに「お気を付けて」と言って先達さんたちと別れて出発。

第四十一番 竜光寺 第四十二番 佛木寺 第四十三番 明石寺

 2kmほど国道56を走り、県道25へ。地図を見ると、この県道へと入る交差点には「れんげ」と書いてある。地名なのだろうか?地図のその辺りには花マークがありレンゲの綺麗な場所であることを示している。県道にはいると、道の両側には田園が広がり確かに一面のレンゲ畑となっているが、残念ながら少し盛りは過ぎたかなという感じ。この県道は八幡浜への快走できるショートカットルートであっという間に八幡浜へ到着。そのまま国道197・佐田岬メロディーラインへ。この道は日本一細長いこの半島を貫く快走路なのだが、以前走ったときにネズミ取りをしていたのを目撃しているので、今回のような連休中は特に気持ちよく走っていると危ないなと考え大人しく走る。途中、やたらと対向車が来るのが気に掛かる。前に佐田岬まで行ったときは駐車場には2〜3台の車が停まっていたぐらいだったので、灯台しか無いような所にこんなに来るわけ無いよな・・・と少し悩んでしまう。「あっ、そうか。ちょうどフェリーが着いて一斉に走ってきているだけか」。どおりで、とても観光客には見えない大型車も走っているわけだ。なんてことを考えながら西へ西へ。三崎港を過ぎて県道256へ。相変わらず1.5車線路が多くあるが、以前よりは道も良くなっている。もう少しで佐田岬というところでビックリ。駐車場待ちの車で大渋滞。「うそっ」って思わずヘルメットの中でつぶやいてしまった。そういえば、前回来たときは、もう夏休みも終わった9月だったかも・・・。渋滞の列をすり抜けてなんとか駐車場にたどり着き。さぁ、灯台まで歩くぞ〜。オフブーツに白装束という場違いな格好で、トコトコトコトコなんとか途中で挫折することなくたどり着けました、四国最西端・佐田岬。生け簀の脇から海のそばまで降りて記念撮影。実はそのとき考えていたことと言えば「関鯖喰いてぇなぁ〜」だったりするんだな。少し、暑さにバテながらも何とか駐車場にたどり着き、いざ出発。時間はちょうど昼時。ということで三崎港あたりで何か食べる物はないかなと考えつつ走っていると、フェリー乗り場の前に名物・じゃこ天のノボリが目に入ったのでその店に飛び込んでみる。揚げたてでグローブを付けたままでないと持てないほどアツアツのじゃこ天にかぶりつく。やっぱり揚げたては最高やね。メロディーラインを戻っていると、対向車線を警察の1BOXやらパトカーが列をなして走っている。今から店開きかな?

旧陸軍・砲台跡 佐田岬灯台
関鯖を想いつつ海を見つめる・・・

名物・じゃこ天を喰らう

佐田岬

 佐田岬半島の付け根から県道28へ入り、次の巡礼地・金山出石寺へ。1.5車線の山道を走り出石寺の駐車場に単車を停めると目の前に石段がそびえている。また歩くのか・・・。暑さのためか少し弱気になってるのかな。テクテクと石段を登り本堂へ。なかなか立派な堂宇が立ち並ぶ。大師堂のあたりからは、少し霞んでいるのが残念だが宇和海が綺麗に見えている。参拝を済ませて、次の巡礼地を目指して大洲へと山を下る。昨日立てた計画では、次の札所を回るのは時間的に難しいかなと思っていたので大洲市内の富士山にある家族旅行村をキャンプ地に予定していた。しかし、実際には思ったより早く着いたので次の札所・十夜ヶ橋へ。それにしてもこの富士山、標高319.6mと本物の富士山の1/10以下のスケール。登ってみても良かったかな?さて、次に参った十夜ヶ橋に寺号はは、弘法大師さんが四国を廻っているときに田舎のこの地で宿を求めることができずに、ここの橋の下で一夜を明かした。そのときに一夜が十夜に感じたと言うことに由来している。また、お遍路さんが橋の上で杖を付かないという習慣ができたのも、この故事に由来しているという。当時は田舎だったここも、今は国道56のバイパスと旧道が交差する場所にあり、寺の前を多くの車が走っているのだが。私の旅もキャンプ場泊とはいえ野宿みたいなもんなんで、弘法大師さんの野宿したことに起因しているこのお寺の起源にあやかり、ステッカータイプの交通安全お守りを購入して単車に貼り付けていざ出発。時間はすでに4時。次の巡礼予定地は松山市の南・砥部になるので朱印の受けることのできる5時までにはとうてい到着できないと考え、さて、今日はどこでキャンプをしようかと地図を眺めてみる。伊予市の「えひめ森林公園」か砥部町の「銚子ダム公園」あたりなら翌日の巡礼もしやすいし、比較的近くに湯砥里館という入浴設備もあるみたいやしと検討してみる。しかし、結局向かったのはこれまで2回ほど泊まった久万高原にある「ふるさと旅行村」を目指すことにした。ここには近くに安価な温泉が有ることを知っていたから。

本堂 本堂からの眺め   ぶっせつ ま〜か〜・・・
別格七番 金山 出石寺 別格八番 十夜ヶ橋 永徳寺

 道の駅・内子でソーセージなどのつまみを入手してから国道379、国道380を一路東へ。1.5車線の道だが、前を走るデリカがなかなかの快速。普通、こういう道で車に追いついてしまうとあまりにも遅くてストレスたまりまくり状態になってしまうのだが、このデリカは飛ばすこと飛ばすこと。ちょうど良いペースメーカーができたという感じで、ストレス無く目的の「ふるさと旅行村」へ到着。早速、受付へと行ってみると、今日は「星空を見る会」とかいうイベントがあって予約以外のキャンプは受け付けていないとの衝撃の事実が発覚!さて、どうしようかと思う間もなく、近くにある無料の千本高原キャンプ場を紹介してくれた。実はこの千本高原キャンプ場は、以前、泊まろうと思ったことがあった。しかし、そのときは行ってみると誰もいないし、水も止められていたので無料だと分かっていたが今回の候補からは外していたのだった。受付の人の話では、ちゃんと水も出るようにしてあるし、ここに泊まれなかった人をそこに案内しているということなので、とりあえず行ってみる。到着してみると、確かに多くの人がキャンプしていた。ちょっと安心。バイクツーリングの人たちがテントを張っているあたりに私もテントを設営してから、国民宿舎古岩荘へ。ここは300円という安価で温泉に入れるお気入りスポット。風呂場は少し混み合っていたものの、なんとか温泉を楽しみ風呂上がりの1本もしっかり楽しんでキャンプ場へ。残念ながら、他のキャンパーさんは2〜3人のグループばかりだったのでその中に入り込むこともできずに今日も宴会は無し・・・。ちょっと寂しく夜は更けていった。


千本高原キャンプ場

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